Since 1929

ひと。まち。くらし。を重ねていく

The Asahi Building History

90年のあしあと。

1935年(昭和10年)の中之島

Episode 1

「先進的」な歩みのはじまり

大阪朝日ビル

朝日新聞社の創刊50周年に建てられた、
建築家も唸った新奇性に富んだ大阪朝日ビル

朝日新聞社の創刊50周年を記念して1929年に創業した当社は、当初から先進性を主軸に据えた建築に携わってきました。代表的なものが、1931年に完成した大阪朝日ビルです。これまでの建築とは異なり、一切の装飾を排して幾何学な線だけで構成したシャープなデザインや金属を外装に用いた大胆な素材の使い方。
そして、当時の法律で定められていたビルの高さ31mも特例によって超えました。屋上には、アイススケート場や航空標識調を設け、オフィスビル機能だけではなく、最上階の10階には「レストラン・アラスカ」が入るなど、誰もが憧れる都会のライフスタイルを発信する場所だったのです。当時、関西を代表する建築家の方から「日本中で最もセンセーショナルな建物」と評価されるほどで、再開発による建て替え工事が行われるまでの約80年間、その前衛的でモダンなデザインは色褪せることなく大阪の人々や街に強い存在感を示し続けました。

Episode 2

昭和時代を代表する「建築」たち
“新朝日ビル”篇

新朝日ビル

「まち」そのものを築く壮大な試みと、
中之島で歴史を紡ぐと決意したプロジェクト

昭和30〜40年代、当社は昭和の建築物を代表する2大プロジェクトを手がけました。1つは、1958年完成の新朝日ビル。地上45m、屋上のアンテナを含めると100mを超える日本最大規模を誇るビルで、オフィス、ホテル、店舗、放送局などを備え「超マンモスビル」と呼ばれたほど。まるで、ひとつの街を築くようなスケール感で、その後に当社が歩む「まち」を築く基点となるようなプロジェクトだったのです。

Episode 3

昭和時代を代表する「建築」たち
“朝日新聞ビル”篇

朝日新聞ビル

中之島で歴史を紡ぐことにこだわり続け、
さまざまな困難を乗り越えた記念すべきビル

新朝日ビル誕生から10年の時を経て、1968年に完成した朝日新聞ビルも昭和を代表するプロジェクトでした。1日たりとも新聞の発行を止めず、完成させる必要がありました。このため、完成に約6年もの期間を要するほど、さまざまな困難が待ち受けていました。軟弱な地盤の地下工事や新聞発行を止めないための段階的な工事。特に象徴的なのが、ビルの南北を貫通する高速道路でした。ビル工事と同時期に、大阪国際空港(当時)へ続く道路を通す計画があり、この両方を満足させるために、ビルの中に道路を通す前代未聞の合体案を実現させたのです。これは、中之島で「まち」を築き、中之島で歴史を刻むことにこだわり、社会貢献を実現した記念すべきプロジェクトでした。

Episode 4

中之島の新たなツイン「シンボル」

中之島フェスティバルタワー/中之島フェスティバルタワー・ウエスト

朝日建築の歴史を新たに築き上げ、
次代へ価値のバトンをつなぐツインタワー

これまでに中之島という場所で、時代を切り拓く革新的なビルを次々と生み出してきた当社。その歴史を踏まえた上で、新たな価値を未来へとつなぐ、集大成のような超高層ツインタワービルを完成させました。
中之島フェスティバルタワー(2012年)と、中之島フェスティバルタワー・ウエスト(2017年)。高さ200mの新ランドマークはツインタワーとして日本で最も高いビルで、1万人以上の人が働き、食文化や芸術、ライフスタイルの発信基地となる街、フェスティバルシティとして新たな歴史をスタートさせています。
また、建設面においても新たな技術が導入され、2,700名を収容するフェスティバルホールの真上に、建物全体で200mにも届く高層オフィスをのせた特殊なメガトラスが特長。50年100年と輝き続けるように、耐震性能は最高のSグレード、天井高を3mとして照明にはLEDを全面採用するなど高いグレードを目指しました。中之島で新聞の発行だけに留まらず、「ひと・まち・くらし」にも根ざした拠点でもあった朝日建築の使命を引き継ぎ、創業から100年目へと向かうため、当社にとって大きな意味を持つのがこのツインタワーなのです。

大きな一歩、そしてその先に

2019年4月。朝日ビルディングは大きな一歩を踏み出しました。
まもなく創業100年、つながる未来に向けて大きく翼を広げています。

新体制

TO THE FUTURE

これまで積み上げた90年の歴史を礎に、
当社の歩みは力強く、とどまることはありません。
そしてまもなく創業100年。若い力と熟練の叡智。
朝日ビルディングはさらに加速しています。

当社は1929年、朝日新聞社の創刊50周年を記念して、朝日新聞社本社ビルの管理・運営を担う会社として中之島に誕生しました。以来、大阪をはじめとした、東京、札幌、名古屋、京都、神戸、広島、福岡など全国の主要都市で、オフィスビルや劇場、商業施設など、さまざまな空間ビジネスを通じて“ひと・まち・くらし”に寄り添う企業として前進してまいりました。そして2022年2月には、地域の皆さまの長年の念願であった「大阪中之島美術館」を開業し、エリアにアートの潤いを提供しています。

この長きにわたる歩みのなかで、次のステージに進んだ新生「朝日ビルディング」は、引き続き朝日新聞グループの不動産事業のコア企業として、グループ保有不動産の利益拡大をマネジメントし、さまざまな顧客へより高い付加価値を提供していくことに変わりはありません。また、朝日新聞社と一体となり、大型プロジェクト都市再開発事業にも取り組んでいきます。

90年あまりの伝統と歴史を途切れることなく継承し、さらなる頂を目指し100年目に、そしてその先へ。その歩みを加速してまいります。

ROAD TO

100

YEARS

2029